京都の街が誇る瓦屋根の歴史について・・・

こんにちは!リルーフまつだです!

屋根素材のひとつである瓦は、六世紀末、仏教の建築物と同じ時期に伝えられたといわれています。

この時代の瓦は「本葺瓦」といい、三井寺の西村半兵衛という人が現在の瓦の元となる桟瓦の発明をしたと言われています。

その後、改良を重ねて現在の和型瓦が誕生しました。

またその後の幕府の政令により「防火構造」として、

土蔵造り、塗屋、瓦屋根が普及し、政令により焼跡には瓦屋根以外の建物を建てることが禁じられました。

この後も瓦は発展しつづけ、一般に普及していったといわれています。
屋根瓦には和型瓦と洋瓦があります。 和型の中でも和型瓦葺と本にきと呼ばれる瓦があるのですが、 現在は和型瓦葺(簡略葺き)が主流で、本瓦葺き工法は一部のお寺でしかみることができないそうです。洋瓦には平板瓦とS型瓦があります。平板瓦は若い人にも受けが良く、工期も短く済み、スレート瓦に比べ耐久性、断熱性共に優れています。

瓦が持つ性能について・・・

瓦には他の屋根材に比べ、耐久性に優れています。

他の屋根材の多くは基本的に10年~20年の寿命に比べて、瓦は倍以上の40~50年もつとされています。

次に挙げられるのは断熱性です。

瓦は形、工法上、屋根との間に隙間が出来るようになっています。

和型はもちろん平板瓦にも数センチの隙間ができ、その隙間が熱を遮断してくれます。

もちろん瓦自体も陶器ですので断熱性があります。

日本の平均的な年間降水量は1500mm~2000mmで、多い地域では4500mm以上にも達します。

この多量の雨に対し、瓦屋根は優れた耐水性を発揮します。そして草葺き、板葺き屋根が、瓦屋根へと移行してきた歴史的な理由の一つに耐火性があります。1100度以上の高温で焼成される瓦は、建築基準法で指定されている安全な不燃材なので、火事による屋根からの類焼を防ぐのです。さらに瓦は耐寒性能でも優れた総合品質を確保しており、雪国でも広く採用されています。
瓦屋根には山と谷の部分に自然な通気性があり、屋根裏の適度な換気を保ちます。屋根下地に断熱材を施工することで、室内の熱損失を低減し、四季を通じて快適な居住環境を確保しています。
瓦屋根は現在、かつての土葺工法に変わって、引掛桟瓦葺工法が主流です。この工法では、瓦は釘で桟木に確実に固定されるため、地震による落下の被害が大きく低減しています。軽量化の面でも、瓦自体の軽量化、引掛桟瓦葺による瓦屋根の総重量の軽減が図られており、耐震性能は優れたレベルに達しています。またこの工法による施工ガイドラインに基づき、全国どの土地でも均質な仕上がりが可能な屋根材として選ばれています。
昔から瓦屋根が愛されてきたのは、屋根材としての優れた総合性能に加え、陰影に富んだ葺きあがりの美しさにも選ばれるべき理由がありました。また、屋根材のコストが安くても、完成後に屋根材の傷みや色あせが激しければ大きなメンテナンス費用がかかります。この点でも瓦は、葺き替えがなくてもいい屋根材として経済性に優れているのです。瓦が長く愛されてきた理由が分かったような気がしますね。

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